歯医者の麻酔が喉に流れるのは異常?健康に問題は?
歯科治療では普段あまり経験しないことがたくさん起こるため、その都度、不安を感じてしまう方も少なくありません。とくにお口の中に麻酔をしたときにその一部が喉の奥に流れてしまうと心配になりますよね。今回はそんな歯医者の麻酔に関わるトラブルについて詳しく解説します。
微量であれば問題ありません
歯科治療ではいろいろな場面で「局所麻酔」を施します。注射針を歯茎に刺して薬液を注入するのですが、その一部が溢れ出てしまうことはよくあります。そうして溢れ出た麻酔液は基本的にバキュームで吸引しますが、治療部位によっては喉の奥に流れることも珍しくないのです。局所麻酔に用いる薬液は、短時間で歯茎の感覚を麻痺させるものであり、飲み込んでしまったら食道や胃、腸にまで何らかの影響が及びそうなものですが、実際は問題ありません。もちろん、麻酔液を大量に飲み込むようなことがあれば健康を害することもありますが、微量であれば無害といっても過言ではないのです。もちろん、麻酔液が喉に流れるのは気持ちの良いことではありませんので、そうした事態はできるだけ避けた方が望ましいといえます。
麻酔が喉に流れるのを防ぐ方法
歯科治療に麻酔液や水が喉へと流れてしまう方は、口呼吸をしていることが多いです。歯科治療中に口呼吸をしていると、口内にたまった液体も自然と喉の奥へと流れていってしまいますが、鼻呼吸に変えるとそうはなりません。とくに麻酔をする時だけでも鼻呼吸に変えることで、麻酔液を飲み込まずに済みますよ。お口の中にたまった麻酔液は、歯科衛生士さんがバキュームで吸ってくれますので、飲み込まずに放置しましょう。これは歯を削る処置が始まってからも同じです。時間の経過とともに、水が口内にたまっていきますが、歯科衛生士さんが定期的にバキュームで吸引するため、汚れた水を飲み込まずに済みます。
普段から鼻呼吸を心がけましょう
日常的に口呼吸をしている人は、歯科治療の際にいきなり鼻呼吸へと移行するのが難しいため、普段から鼻で呼吸する習慣を身に付けましょう。そもそも口呼吸というのは、お口の健康に悪い影響を与えがちなので、できる限り早く鼻呼吸へと移行するのが望ましいです。
口呼吸による悪影響
口呼吸をしていると、次に挙げるようなデメリットが生じます。
・口腔内の乾燥
・口内細菌の繁殖
・虫歯、歯周病のリスク上昇
・風邪、インフルエンザにかかりやすくなる
・口臭が強くなる
・歯並びが悪くなる
最後の「歯並びが悪くなる」という悪影響については、因果関係がよくわからないという方も多いことでしょう。これは口呼吸をしているとお口周りの筋肉が弛緩し、歯列に対して適切な圧力がかからなくなることで出っ歯などが誘発されるからです。とりわけ成長期の口呼吸は、顎の骨の発育にも深刻な悪影響を及ぼすこともあり、十分な注意が必要です。
まとめ
今回は、歯医者の麻酔が喉に流れる現象について解説しました。飲み込んでしまった麻酔液が微量であれば何ら問題はありませんのでご安心ください。そもそも麻酔液が大量に喉の奥へと流れるような処置を施す歯科医師は稀であるといえます。それでも少しは飲み込んでしまうこともありますので、施術中の鼻呼吸を心がけるなどの対策を講じると良いでしょう。歯科治療中に水を飲み込む機会も多い場合は、頻繁にバキュームで吸ってもらうようお願いしましょう。