虫歯による体への影響とは?
虫歯は、歯を溶かす病気であり、最終的には歯そのものを失うことになりますが、全身への悪影響というのはあまりイメージできませんよね。どんなに重症化してもその影響はお口の中、もしくは1本の歯だけで完結しそうなものですが、実際はどうなのでしょうか。
感染は歯以外にも広がる?
虫歯は細菌感染症の一種であり、治療を受けずに放置して重症化させると、思いもよらない深刻な病態を引き起こすことがあります。まず、歯冠がボロボロになって歯の神経が死に、虫歯が末期状態に至ると、次に起こるのは歯の根の先の病巣が生じる「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」です。それでもなお放置すると、顎の骨や上顎洞(じょうがくどう)にまで感染および炎症が広がり、顎骨骨髄炎や上顎洞炎などを引き起こします。そこからさらに悪化すると、喉の奥や首、場合によっては胸腔に炎症が広がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)まで発展しかねないため十分な注意が必要です。
虫歯で噛み合わせが悪くなることによる影響
顎関節症を誘発する
虫歯が進行すると、歯の頭の部分である歯冠の形が変わり、噛み合わせも変化します。その本数が多くなるほど、噛み合わせに与える影響は大きくなり、そのしわ寄せは顎の関節に及びます。その結果、生じるのが顎関節症(がくかんせつしょう)ですね。顎関節症になると、顎の関節の周りの筋肉に痛みが生じたり、口を十分に開けなくなったりします。ひいては、そしゃく・嚥下(えんげ)・呼吸・発音の機能が障害されて、日常生活に支障をきたすようになります。
頭痛や肩こり、腰痛に悩まされる
原因がよくわからない頭痛や肩こり、腰痛に悩まされている人は意外に多いものです。いわゆる不定愁訴(ふていしゅうそ)とも呼ばれる症状で、お医者さんにいっても手の打ちようがないことも珍しくなく、長年の悩みとなっている人もいらっしゃることでしょう。そうした不定愁訴の背景には、噛み合わせの異常が隠れていることも珍しくないのです。上下の噛み合わせに異常があると、身体のバランスが悪くなり、姿勢や歩き方などにも影響します。その結果として頭痛や肩こり、腰痛などが生じることもあるのです。
集中力が低下する
仕事をしている時や勉強中に、イライラして歯をギリギリと噛みしめてしまうことはありませんか?そうした歯ぎしりや噛みしめは、日常のストレスに由来していることも多いですが、噛み合わせの異常が原因となっていることも珍しくありません。もしくは、虫歯でジンジンという歯痛が生じていても、イライラしたり、集中力が続かなかったりしますよね。つまり、虫歯や噛み合わせの異常を放置すると集中力がそがれ、仕事や勉強の効率まで低下させることがあるのです。
虫歯で睡眠不足になる?
虫歯というのは夜、眠る前に痛みが強まりやすいです。これは副交感神経が夜間に優位となるためであり、交感神経が活発になっている日中では虫歯による痛みを感じにくくなる理由でもあります。そのため、虫歯を放置している人は夜、深い眠りにつくことが難しくなり、睡眠不足に陥りがちです。睡眠不足は、集中力や学習意欲を低下させるだけでなく、免疫力まで下げてしまうので、風邪などの病気にかかりやすくなるというデメリットも伴います。
まとめ
今回は、虫歯による体への影響について解説しました。いずれも虫歯と直接的に関係しているわけではありませんが、治療をせずに放置することでそのリスクは確実に上昇します。それだけに、虫歯を自覚したらすぐに歯科を受診した方が良いといえます。ハートライフ錦糸町歯科クリニックなら、痛みの少ない虫歯治療を実施することができますよ。