虫歯ができやすい場所はどこ?
私たちの歯は親知らずを除くと全部で28本あり、形や大きさはそれぞれの歯種で大きく異なります。同じ歯でも裏表で形態が違っているので、虫歯ができやすい場所と虫歯ができにくい場所が出てくるのも当然ですね。今回はそんな虫歯の好発部位について詳しく解説します。
歯と歯の間
虫歯ができやすい場所の代表としては「歯と歯の間」が挙げられます。専門的には隣接面(りんせつめん)と呼ばれる場所で、ここには磨き残しが多くなることから、歯垢や歯石が堆積して虫歯菌が繁殖するのです。皆さんも子どもの頃を含めて、歯と歯の間に虫歯ができた経験があるのではないでしょうか。隣接面の虫歯が厄介なのは、隣の歯にも虫歯がうつりやすい点です。
歯の根元
歯の根元は、歯ブラシを行き届かせることが難しく、歯間部と同様、汚れがたまりやすくなっています。歯磨きが不十分だと、歯の根元の部分に白いプラークがよくたまりますよね。加齢や歯周病によって歯茎が下がると、歯根面が露出してしまい、歯の根元の虫歯リスクはさらに上昇します。なぜなら、歯根面には人体で最も硬いエナメル質が存在しておらず、象牙質やセメント質といった比較的やわらかい組織に覆われているからです。とくに歯茎が下がった高齢の方は「根面う蝕」という歯の根元の虫歯に注意しなければなりません。
詰め物のすき間
軽度から中等度の虫歯治療を行なった後には、コンポジットレジンを充填したり、インレーなどの詰め物を装着したりしますよね。これらは基本的に歯質とぴったり適合するよう作られますが、わずかながらどうしてもすき間が生じてしまいます。場合によっては段差ができることもありますよね。そこにプラークなどが堆積すると虫歯菌が繁殖して歯を溶かし始めます。実際、詰め物が外れる主な原因は虫歯の再発です。それはクラウンなどの被せ物でも同じことがいえます。
前歯よりも奥歯?
前歯は表面が平らでツルツルしていますよね。そうした部位には歯垢が溜まりにくく、虫歯菌も長い時間、とどまることができません。一方、奥歯の噛む部分には複雑な溝があり、汚れが溜まりやすくなっていることから、虫歯リスクも上昇します。とりわけ注意が必要なのは下の6番目の奥歯である第一大臼歯です。一般的にはこの歯の虫歯を重症化させてしまい、被せ物を装着したり、抜歯をしてブリッジを入れなければならなくなったりすることが多いです。
下の前歯はほとんど虫歯にならない?
下の前歯のすぐ近くには、唾液を分泌する唾液腺が存在しているので、常に自浄作用や殺菌作用、抗菌作用が働いています。また、唾液には歯を修復する成分も含まれていることから、常時、唾液で湿っている下の前歯が虫歯になることはほとんどありません。他の歯よりも先に下の前歯が虫歯になるようなことがあれば、何らかの原因が考えられますので歯医者さんや歯科衛生士さんのアドバイスを聞くようにしましょう。ブラッシング指導を受けることで改善できるかもしれません。
まとめ
今回は、虫歯ができやすい場所について解説しました。歯と歯の間、歯の根元、詰め物のすき間は基本的に虫歯リスクが高くなっていますので、普段からしっかり歯磨きするようにしてください。逆に、歯面が平らで汚れが溜まりにくい場所は、それほど念入りに歯磨きする必要はありませんので、ブラッシングにもメリハリが重要といえます。そんな歯磨きのコツや虫歯になりにくい口腔ケア方法について詳しく知りたいという方は、ハートライフ錦糸町歯科クリニックまでご連絡ください。