矯正できない症例とは?その場合の解決策は?
歯並びの乱れを治す矯正は、基本的に誰でも受けることができます。生まれながらに理想的な歯並び・かみ合わせを持った人というのはほとんどいませんからね。ただ、患者さまのお口や歯並び、体の状態によっては矯正できない症例もあります。今回はそんな矯正できない症例について詳しく解説します。
「歯列矯正」できない症例について
ひと言で矯正といっても、患者さまの年齢や歯並びの状態によって、適応される治療の種類も大きく異なります。そこでまずは最も標準的な「歯列矯正」を例に挙げて、矯正できないケースについて解説します。
骨格的な異常に由来する歯列不正
悪い歯並びの原因が骨格的な異常に由来している場合は、通常の歯列矯正では症状の改善が見込めません。例えば、下の顎の骨が極端に突出している症例だと、いくら前歯の傾きや位置を変えても受け口の症状は良くなりませんよね。それは骨格的な異常に由来する出っ歯や開咬(かいこう)なども同じです。そうしたケースでは、歯列矯正を行う前に、外科矯正を行う必要があります。大きすぎる顎の骨を外科的に切除して、上下のバランスを整えます。細かい歯並びの乱れは外科矯正で対応できないため、結果として歯列矯正を併用することになります。
重度の歯周病や骨粗しょう症、糖尿病にかかっている
歯列矯正を行う上で、顎の骨の健康状態は極めて重要です。歯槽骨という硬い骨に埋まっている歯を安全に動かすには、顎骨も正常でなければならないからです。そこで注意が必要なのが歯周病ですね。日本人の成人の約8割がかかっているといわれている歯周病は、重症化すると顎の骨がボロボロンになります。骨粗しょう症や糖尿病も進行する過程で顎の骨が脆くなるため、検査の段階で歯列矯正できないと診断される可能性は十分あります。ただし、そうした病気を患っていても、治療によって顎の骨の状態が良くなれば、歯列矯正も受けられるようになりますのでご安心ください。
「小児矯正」できない症例について
次に、子ども向けの矯正治療である「小児矯正」できない症例についてですが、これは顎の骨の発育状況が大きなカギを握ります。例えば、お子さまが12歳になってからカウンセリングを受けても、小児矯正できないことも珍しくありません。というのも、子どもの顎の発育は、12歳くらいで終わりへと近づいていくため、小児矯正による効果がほとんど得られなくなってしまうのです。小児矯正は、顎の骨が成長する力を利用しながら、歯並び・かみ合わせ、上下の顎のバランスを整えていく治療である点を忘れてはいけません。
ちなみに、12歳を過ぎて顎の骨の発育が終わってしまっていても、小児矯正の2期治療は受けることが可能です。小児矯正の2期治療はいわゆる“歯列矯正”であり、顎の発育が終わって永久歯が生えそろっていれば、何歳になっても受けることができるのです。
まとめ
今回は、矯正治療できない症例について、具体例を挙げながら解説しました。仮に歯列矯正ができなかったとしても、外科矯正で対応できたり、それらを併用することで歯並びをきれいにすることが可能となったりしますので、歯並び・かみ合わせの異常で悩んでいる方はまず歯医者さんに相談してみましょう。ライフ錦糸町歯科クリニックでは、いろいろな矯正法に対応しておりますので、皆さんのご要望にもお応えできるかと思います。