インプラントとは?治療内容とメリット・デメリットをわかりやすく解説!
歯を失った際の治療法には様々な選択肢があります。従来から多く使用されている入れ歯やブリッジに加え、近年ではインプラントが注目されています。
令和4年に厚生労働省が実施した歯科疾患実態調査によると、日本で補綴物を装着している方のインプラント装着者の全体割合は約3.2%です。日本では、インプラントの認知度が低いという点が、インプラント施術人口に影響しているようです。
本記事では、インプラントがどのような治療なのか、治療内容やメリット・デメリットなどを詳しく解説します。
インプラントを検討している方や、治療について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
参照元:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」
インプラントとは?
インプラントとは、人工歯根であるインプラント体を顎の骨に埋入し、その上から人工歯をかぶせて失った歯を補う治療法のことです。インプラント体は身体になじみやすいチタンなどの素材を使うため、拒絶反応が起こりにくい特徴があります。
また、人工歯は様々な素材から選べますが、その中でもセラミックを選択すると、天然歯のような色調や透明感を再現できるでしょう。
入れ歯などと違い、人工歯根を顎の骨に埋め込みしっかりと固定されるため、自分の歯のような噛み心地も手に入れられます。インプラントは審美性と機能性に優れている、メリットの多い治療法といえるでしょう。
インプラントの治療内容
インプラントの治療は、検査やカウンセリングをして治療が可能と判断された場合のみ治療を行えます。インプラントの治療は外科手術を伴うため、健康な方でなければ治療が受けられないのです。
また、インプラントの手術には一回法と二回法があり、どちらの手術をするかは医師が決めていきます。一回法と二回法それぞれの治療内容は次の通りです。
一回法
一回法とは、インプラントの手術を1回で終わらせる治療法のことです。局所麻酔を使って麻酔をかけた後、歯茎を切開して顎骨を露出させ、インプラントを埋入するための穴をあけます。
穴に人工歯根を入れて、人工歯と連結させるためのアバットメントを取り付け、頭の部分を出しておきます。顎の骨と人工歯根が結合得るのを待ち、結合を確認したあと歯型を採って人工歯を作製し、完成した人工歯をアバットメントに装着して終了です。
一回法は手術が一回で完了するため、患者さまの負担が少ないですが、全ての人ができるわけではありません。骨の厚みが足りない方などは、一回法はできないでしょう。
二回法
二回法とは手術を2回行う治療法です。一回法のように人工歯根を埋入したら骨と人工歯根が結合するまで3~6か月ほど待ちます。
その後、顎の骨と人工歯根が結合したのを確認して、人工歯と人工歯根をつなぐアバットメントを装着するための手術を行います。傷口が回復したら人工歯の型取りを行い、出来上がった人工歯をつけて治療終了です。
一回法よりも治療期間はかかるものの、一次手術のあと一度完全に歯茎を閉じるため、感染リスクが低いという特徴があります。
インプラントの治療費用
インプラントの治療は保険適用外です。そのため、歯科医院によって治療費用は異なりますが、1本あたりの費用相場は、およそ30~40万円です。
内訳としては、レントゲンやCTなどの検査費が1万5,000円〜5万円、手術費用が10〜30万円、人工歯が5〜20万円程度です。
ただし、上記の費用はあくまで相場であり、選ぶ素材や歯科医院によって異なるため、必ず歯科医院へ確認しましょう。
インプラントのメリット
インプラント治療には、様々なメリットがあります。インプラントで得られるメリットは、以下のとおりです。
しっかりと噛める
インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を埋め込み歯根の代わりになるため、自分の歯と同様のしっかりとした噛み心地が実現します。
しっかりと噛めるようになることで、脳への刺激や血流量の増加が期待できるため、認知症予防にも効果的と言われています。また、骨が痩せるのも防げるでしょう。
見た目が良い
インプラント治療は、白く綺麗な歯を手に入れられるため、見た目にも良い影響をもたらします。周りのご自身の歯に馴染むような色合いを実現できるので、インプラントが入っていることに気づかれにくいです。
特に、前歯など目立つ部分においては、審美性の高いインプラントの治療が向いているかもしれません。
他の歯を傷つけない
インプラント以外にも、失った歯を補う治療法はいくつかありますが、失った歯に隣接する歯など他の歯に影響を及ぼすものがほとんどです。
インプラントは独立して機能するため、他の歯に影響を及ぼすことが無く、健康的な歯を維持できます。
インプラントのデメリット
インプラント治療には、メリットだけでなくデメリットもあります。インプラント治療におけるデメリットは、次の通りです。
費用が高額
インプラントは自費診療のため、費用が高額になることがデメリットといえます。費用が高額になる理由は、インプラントそのものが高額な素材を使用していることや、インプラントの施術をする為の様々な設備にコストがかかるからです。
インプラント治療の費用自体を安くする方法は無いため、医療費控除を活用するなど、実質的な費用負担を減らす工夫をしましょう。
治療ができない人もいる
インプラント治療は外科手術を必要とする為、治療ができない人もいます。例えば、糖尿病や貧血、高血圧症などの方は、インプラント治療できない可能性があります。また、顎の骨が少ない方も、顎の骨を増やす治療をしてからでないとインプラントの治療できないでしょう。
ご自身がインプラント治療をできるかどうかは、カウンセリングの際に相談してみてください。
治療期間が長い
インプラントは、他の治療と比べても治療期間が長いことが特徴です。一般的に半年〜1年程度は治療期間を要します。特に、二回法の場合は手術を2回行うため、治療期間は長くなるケースが多いでしょう。
半年~1年間ほどコンスタントに歯科医院に通う必要があるため、スケジュール調整がしにくい方の場合は、治療が難しいといえます。
ほかの治療との違い
歯を失ったときの治療は、インプラント以外にもブリッジと入れ歯があります。これらの治療法とインプラントの違いについて、解説します。
ブリッジとの違い
ブリッジとは、失った歯の両隣に残っている歯を支えにして、橋をかけるように装着する人工歯のことです。残っている両隣の歯に固定して使うため、噛み心地は入れ歯よりも良いでしょう。
自費診療の場合は、審美性の高い素材でブリッジが作れる点も魅力の一つです。また、ブリッジの治療期間は3カ月程度と、インプラントの半分以下である点も特徴です。
しかし、ブリッジを支えるために両隣の健康な歯を削る必要があるため、健康な歯を削りたくない人にとってはデメリットが大きいでしょう。
ブリッジは、両隣の歯が健康でなければできない治療のため、両隣の歯も不安定な方は治療ができません。インプラントは、独立して機能するため、両隣の歯が健康でなくても治療が可能です。
入れ歯との違い
入れ歯は、保険診療と自費診療を選べます。保険診療の場合は、治療費用がインプラントと比較して格段に安いです。
また、治療期間も1か月程度と短いため、早く安く歯を補完したいという方にはメリットが多い治療法でしょう。
しかし、審美面や安定性はインプラントに劣り、人によっては会話や食事に影響が出るケースもあります。寿命もインプラントに比べて短いので、数年で作り直す必要があるでしょう。
まとめ
失った歯を補う治療法の1つであるインプラントは、審美性や機能性の高さから、近年注目されている治療法です。特に、噛み心地がご自身の歯と遜色ないことや、きれいな歯が手に入り審美的にも良いという点が、高い評価を得ています。
しかし、価格面や治療期間の長さなどが懸念点となり、避ける方が多い傾向にあるでしょう。
歯を失ったときのインプラント以外の治療方法には、入れ歯やブリッジが挙げられますが、インプラントよりも機能面や審美面が劣ると感じる方もいます。それぞれのメリットやデメリットをよく理解した上で、ご自身に合った治療を検討することが大切です。
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